星降る夜になったら

クリスマスイブですね。

世の中はキラキラしたイルミネーションが立ち並び街を行く人はなんだか楽しそうなこの日。

予定もなければなぜか仕事は休み。日曜日休みなんて希望休以外でいつぶりだろう。別に今日は要らないのになぁ、なんて悪態をついてしまいそう。今年も元気にシングルベル‥‥ってうるせえな。

 

 

この日が「ただのクリスマスイブ」ではなくなったのが8年前のお話。もう8年になるのか。

時の流れとは残酷なものですね。

 

 

 

9年ほど前、当時16歳くらい。

まだ音楽を知りたて、好きなバンドは1組。

あとは流行りを適当に追っては飽きを繰り返していた。

「今好きなバンド以上に好きになる音楽などないのだ」と思い込んでいた。

元々熱しやすく飽きやすい性格なので音楽にここまでのめり込んでいる未来なんて見えていなかったわけで。

このままいつか音楽も飽きてしまうのだろう、とすら思っていた。あの瞬間までは。

 

 

「夢の中であやかしパッション」という不思議な歌詞にシンセサイザーの混じっている怪しげな音。真顔で歌うボーカル。癖のある歌声。

そんな音楽が街中から流れてきた瞬間、私は足を止めて聴き入ってしまった。

 

「なんだぁ!?この変な曲っ!!」

第一印象はそれだった。フジファブリックとの出会いである。

その日はなんか変わった音楽だなぁ程度でその場をあとにした。

後日、同じ場所でまたその曲が流れていた。

「あ、あの曲は!」なんてちょっと嬉しくなった。

 

フジファブリック (Fujifabric) - パッション・フルーツ(Passion Fruits) - YouTube

 

 

 

そこから私は「世の中にはたくさんの音楽があるんだ、もっと知りたい。」とCDショップに通ったり、ラジオを聴いたり、とにかく沢山の音楽を聴くようになった。

間違いなく彼らの音楽は私の人生を変えてしまったのだ。

 

志村正彦の作る曲は情緒的で、変態的で、奥深いものだった。

知れば知るほど好きになっていった。

歌が飛び抜けて上手いなんてことはない。

でもそこが最大の魅力でもある。

あの癖のある歌声も歌い方も大好きだ。

 

いつしかライブに行ってみたい、と思うようになった。ただ当時の私はライブに行くことに特に執着もなく、ライブハウスは怖いところだと思っていた。だから私はこの期間に沢山のライブをそういった理由で逃している。もったいない。

 

「でもフジファブリックのライブに行きたい」と思ったのは翌年の五周年ツアーだった。

カレンダーをみたら普通に行ける日ではあった。「だけどライブハウス怖いし一人で行けないし‥‥」と渋って結局やめた。

 

「でもまたすぐ来てくれる。次は必ず行こう。」そう決めた二ヶ月後、その夢は二度と叶わないものになった。

 

2009年12月25日。

ネットニュースでみたという母親に告げられた言葉。

「昨日フジファブリックのボーカルさんが亡くなったらしいよ。」

 

「いやいや、なんの冗談よ」と思った。だってまだ若いでしょ。

だけどそれは揺るがない真実で、17歳くらいだった私にはあまりにも重すぎる現実だった。

涙すら出ない、でも苦しい。ただひたすら大好きな曲を繰り返し聴いていた。

 

ああ、もうフジファブリックの新しい音楽が聴けない。と絶望していた。

なんでライブに行かなかったのか、なんでもっと早く知れなかったのか、なんでもっと深く好きでいなかったのか、後悔ばかりが押し寄せてきた。

 

その後元々ギタリストであった山内さんがボーカルをとり、フジファブリックは続いていくことが発表された。

当然賛否両論あった。

だけど私は嬉しかった。これからもフジファブリックの新しい音楽が聴けるのだと、救われた。

 

2011年。

すっかりライブハウスにも慣れた私は

福岡DRUMLOGOSではじめてフジファブリックを見た。

山内さんのギターがしょっぱなから鳴らなくなるなんて事件が起きたのも懐かしい。

 

記憶違いじゃなければ志村さんがご存命のとき、最後に福岡でライブをしたのは「RockDaze」というイベントだったと思う。

凛として時雨NICO Touches the Walls、今の私が死ぬほど喜びそうなバンドたちと。

そこで総くんは志村さんのアンプから転げ落ちて白煙吹くという事件が起きたわけで。笑

 

それの仕返しに来たのではないかと思ってしまった。

 

 

あの時の「ECHO」はいろんな感情を持って泣きながら聴いていた。だけどこれからも彼は音楽の中で生き続けていくのだと確信した。

 

山内さんがボーカルになって6年。

フジファブリックは相変わらず素敵な音楽を届けてくれている。

 

 

運命なんて言葉でぼんやりさせたくなんてないのだけれど、あの時のあの出会いが無ければ、心を撃ち抜かれなければ、今の私は存在しない。だからこそ音楽との出会いは運命であり必然なものなのだと思う。

 

8年経った。いまも、あの時と同じように音楽が好きだ。

 

 

キミに会えたことは

キミのいない今日も

人生でかけがえのないものであり続けます。