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はじまりがあれば必ずそれには終わりがある。
そんな当たり前のことを当たり前だと思わなくなっていることが多々ある。
今までいくつものバンドの色んな形の終わりやはじまりをみた。
脱退、活休、解散、失踪、そしてメンバーの他界。
そんななかで「この人たちだけは大丈夫」とどこかで奢っていたのかもしれない。
そんなことないのにね。
最後のアルバムとなってしまった渾身の名盤の1番最後の「bless you?」を聴いた時、やな胸騒ぎがした。あれ、いなくなるの?と。
その胸騒ぎはいちばん悲しい形で現実となってしまった。しかもこんな早くに。
"NICO Touches the Wallsを終了することにしました。"
"壁はなくなった!"
彼らはもう吹っ切れたかのような短い文章で、あっけなく。
正直私は今まで彼らの音楽を道しるべに生きてきたも同然で、ときに肯定して、ときに叱ってくれて、ときには励ましてくれて。
死にたいくらい辛い日々を救ってくれたのも彼らの音楽で。
今まで共に、ときには後ろを歩いて生きてきた。突然手を離されたわたしはどうすればいいのか分からない。
NICO Touches the Wallsとの出会いは16歳くらいのとき。
某CDショップに好きなバンドのCD買いに行って、他になんかないかな?と思っていたときに出会った音楽で。
一目惚れならぬ一聴惚れ。
身体中に凄まじい勢で電流が流れ込んできたことを未だに覚えていて。
4年後にはじめてライブを見れて、
NICOの音楽を通じて交友関係も広がりました。すこしだけ積極的になりました。
たくさんライブ行きました。
行くたびに進化する彼らを尊敬していたし、終わったあともすぐに行きたくなるくらい、彼らの奏でる音楽はすごかったんです。
アレンジも、音楽の幅広さも、表現力も演奏も歌唱力も、すべて。
音源どおりの人達は沢山いるけれど、
音源を越えるライブをする人達はそういない。
彼らは毎回音源を超えていた。これって凄いことだよ。
6/9ロックの日。
全身全霊でライブをしている姿をいまだに覚えていて。
最後にバンダナ振り回して楽しそうにしてたのも。
「夢は言い続けていたら必ず叶うから。」
「これからも迷ったりしても僕らと音楽は必ずそばにいます。」
そう言ってくれたのにね。
あれが最後だったんですか、信じたくないね。
これからだったんじゃないの?
違うんだね。
どうしてなんでって泣いたって現実は変わらなくて、時間だけは過ぎていくなかで私は取り残されてしまったんだと思う。
NICOは世間が思っているような"爽やかで楽しくて明るいロックバンド"ではないのだ。
それも彼らの1面ではあるけれど、
NICOは"雨と夜と闇。"これは好きになったときからずっと変わってない。
ひねくれてるし、なのに純粋なくらいに真っ直ぐだし、泥臭いし、何度倒れても起き上がるし、めんどくさい奴らばっか集まってるし、自信ありげに見えて強がってるだけですぐ弱音吐くし。そんなかっこよくてかっこ悪いところが大好きなんです。
これからの彼らの進む道を応援したい。
だから今だけは泣き言も許して欲しい。
そんなあっさり「そう!お疲れさま!ありがとう!頑張って!」と言えるほど人間出来てない。
こんなめんどくさい君たちだからめんどくさいファンが沢山いるんだよ、申し訳ない。
なんか感情整理できなくてごちゃごちゃかきましたけど、まとまらないや。
ありがとなNICO Touches the Walls。おかげで人生すっげー狂わされたわ。
今まで味わった酸いも甘いも、いくつかは君たちのせいなのでこれからもよろしくな。
さよならなんて絶対言ってやらないからな。
"どんな弱音も、僕の声だ"